建材のアスベスト分析方法は公定法として5種類

アスベストは、建材に含まれているのか否かを調べる定性分析としてJISA1481-1および-2(以降枝番1および2と表記)の2種類があり、さらに建材に含まれるアスベストの割合を調べる定量分析としてJISA1481-3~-5(以降枝番3~5と表記)までの3種類があります。定性と定量の違いは、有無と割合になるわけですが、最初に定性でアスベストが含まれている判定になった後に定量で割合を調べる流れになります。ただ、有無だけの判定の場合は定性のみで定量で行うことはありません。JISは日本工業規格で、1は国際規格のISO22262-1がベース、4はISO22262-2がベースで5はISO22262-3がベースになるので、これらは国際的に認められている標準法といわれています。

なお、日本工業規格の枝番1~5はアスベスト分析で使用する機器に違いがあります。枝番1の場合は偏光顕微鏡と実体顕微鏡を使いますが、枝番2はX線回折装置と位相差分散顕微鏡を用います。枝番3および5はX線解析装置、枝番4は偏光顕微鏡を使います。偏光顕微鏡を使い、試料サンプルや天然鉱物に含まれるアスベストの有無を判定するのが枝番1です。

試料の性情に応じた試料調製や前処理後に実体顕微鏡を使って石綿繊維の観察を行い、偏光顕微鏡で種類を特定します。ちなみに、石綿は種類ごとに複数の工学的特性でもある形態・色・多色性・複屈折・消光角・伸長の符合・屈折率に特徴的な相違点があるので、種類を特定することができます。また、枝番1は層別分析が可能ですが枝番2は層別分析ができません。

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